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上司と部下のコミュニケーションがスムーズなら要注意?:マネジャーの役割と資格

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行動変革プロデューサーの西谷 信広です。考えて、行動してやりきって、顧客の信頼を勝ち取り、企業、社会に貢献する人の数を増やすトレーニングプログラムを、経営者、マネジメントの方々に提供しております。

今回は上司と部下のコミュニケーションはスムーズならいいのか?というお話しです。

部下の将来価値を下げる上司とそんな上司を好む駄目部下

「いやー、今の情勢を考えると、うちが売るのは難しいですよ~」

これは、商売が取れそうにないとおもった営業マンの発言です。
この時点ではまだオブザーバーとして話を聞いていたので何も云いませんでした。
すると、「この件よりも、こっちのほうがいいと思うんで、こっちのお客さんに集中します」と部下の人。

営業課長であるA氏がなんというのかを待っておりました。
するとA課長は、「わかった。そうだよな。うん、うん。簡単じゃないもんな。でも、一応さ、続けてくれよ、な。だめかもしれないけどさ」とのこと。

まるで友達の会話のようです。そのまま別の話題へ移りそうだったので、さすがに傍観者にはなれなかったわたしは、その営業マンに聞きました。「よこからはいって申し訳ないけど、君の仕事はなんだろうね」と。
すると、なんとなく言いにくそうに「営業ですけど」と彼。
そこで、営業とはどうい仕事か?彼に聞きました。彼いわく、売ることだが難しい場合もある、とのこと。

わたしが割ってはいったことに、A課長は困惑していました。A課長は、マネジメントとして正しいコミュニケーションをしたのでしょうか?

業務命令すら守れない社員が存在する事実

先のA課長は、“友達のように”話し、とりあえず続けてほしいことは伝えていました。
命令としてはあまりに曖昧模糊としていましたが、少なくとも継続は促していました。
しかし、A課長の話し方では、やってもやらなくてもお咎めなし、としか聞こえないのも事実。

A課長の行為は単なる“甘やかし”です。これじゃあ、人なんて育ちようがないですね。
非常に高いハードルの仕事を与えて、「いいからやれ!」というのは無茶です。
が、しかし、多少高いハードルの仕事を部下に与えるのは上司の非常に大切な仕事です。

仕事を通じて部下が伸びない場合、その部下の将来には暗い雲が垂れ下がることになります。
仕事にたいする正しい考えも持てず、ノウハウも身につかないばかりか、人としての成長にも限界があります。
成長したからこそ味わえる充足感、自己実現の機会を部下から奪い去ることを、上司はしてはいけないのです。
モチベーションを持つとか持たないとかの話し、以前の問題です。

部下の行動が変われば思考が変わります。行動の質も高まるのです。ここからポジティブスパイラルに部下は入ります。上司は自らの考え方、つまり行動の仕方も変えることで、部下の行動変化を促す必要もあります。

一方で、「やりたくありません」という部下がいるのも事実です。
上司として部下を伸ばそうとして提供している機会を部下が断るわけです。
ちなみに、仕事に挑戦したがらない人がけっこう多いなと、感じています。
無茶苦茶な上司からの要求は別として、部下の能力開発を考えての要求は業務命令です。
部下には「やりたくない」という選択肢はありません。

上司は、「こんなこと言ったら、部下から嫌われるのではないか、関係にひびがはいるのでないか」とか、「これを言うのはかわいそうだな」とか、思ってはいけません。保身に走った態度であり、自分と部下に対する甘やかしです。

部下を甘やかせば、てきとうに仕事をしても叱られないと思いますし、仕事の精度も落ちます。当たり前ですが、業績にも影響をおよぼします。部下は成長の機会を逃し続けますから会社に認められず、ただ給料をもらうだけになります。
部下自身もそのうち、「仕事がつまらない」などと、自責は棚に置き、思い出す可能性もあります。

業務命令をちゃんと出す。叱るべきはしかる。方向性をきっちり指し示す。これらは上司が決して逃げてはいけないところ。マネジャーとしての根幹です。

業務命令を受けた部下は指示を素直に聞きいれて前進する。上司からの指摘事項はしっかり肝に銘じて、そこからまた前に進む。これが部下としての根幹です。

『パワハラ』こんな言葉が行動を規制する危険性

「課長、それ、パワハラですよ」とか言ってしまう部下がいます。「これを言えば、相手は注文をつけ辛いだろう」と悪知恵を発揮している場合も多々あります。本当にパワハラだと言い切れるような酷い内容はもちろん別ですので、誤解のないようにしてください。

確かに、上司も言い方を考えないといけないな、という場合もあります。「違う言い方のほうがよかったかな」と、私自身、反省したこともあります。しかし、大切なことは、本当に部下を思って接しているのか、という点です。
明らかに、業務命令から逃げる目的でパワハラだと騒ぐ部下も存在します。そんな相手に、ひるむことはありません。
なぜなら、上司の仕事は部下が成長するサポートだからです。

部下で困るタイプは、自ら大きなミスを犯したにも関わらず、叱られたことを根に持つタイプです。このタイプは下手をすると訴えると言いだします。しかし、こんなことで上司はへこたれてはいけません。また、会社もその上司の行動をバックアップしなければなりません。

人材不足を逆手にとり、辞めさせられないだろうと高を括るような人物には、会社は断固たる態度で臨む必要があります。

陰口をたたいてガス抜きをする様な社員には、止めるように勧告することも必須です。これを2回以上繰り返してもなおらないなら、「もっときみに会う会社があるだろう」という形で退職を促してもいいのです。

あまりに多い情報の中で、何が正しいのか見極めにくい世の中です。パワハラという言葉を頻繁に見聞きする社会です。しかし、「それは本当か?」という問題の本質を追求し、事実をあぶりだす必要があるのです。
上司の言動が本当に問題ならば、上司は責任を問われるべきです。しかし、部下のでっち上げ、あるいは認識の甘さならば、部下に対して必要な指導が実施される必要があります。

部下の将来を考えるのが上に立つものの仕事です。仲良しクラブを形成するのが仕事ではありません。

部下に嫌われたくない、仲良く会話している状況がいい関係性だと錯覚している、実は責任をもって仕事を引き受けていない...このような人は上司には不適格と言わざるを得ません。

忘れてはいけないのは、部下は友達ではないということ。ふだんから意味もなくけなしたり、人格を引き下げる様な発言をするのは問題です。しかし、必要な場面では厳しさをもって部下に接し、指示を与え、履行させる。やらない部下には理由を述べさせ指導する。

経験の大きな違いから、どうしても指示に納得しない部下もいます。そんな部下ほど陰口をたたくもの。しかし、聞かないふりをしてでも、とにかく継続的に成長を促す活動を続けるのです。これがマネジメントとしての大切な仕事の根幹なのです。部下は成長すると、必ず、自らがやっていたことの愚かさを悟ります。そういう部下を一人でも増やす。これが大切ですね。

上司の仕事は部下の仕事力を伸ばすことであり、仕事に面白さを見いだせる人材になるサポートをしてあげること。
仕事力が伸びれば、人間力も伸びます。なぜなら、同じ人間がやることである以上、仕事面の対応力が伸びれば、人としてのキャパも増えるからです。

仕事とは何かを真摯に受け止め、謙虚に意見を聞き、自ら論理的に考え、大量行動する。そんな社員を増やすことが、結果的に企業業績を安定的に押し上げるのです。こういう社員を増やすのがマネジメント、経営者の仕事なのです。

せっかく入社してきた社員です。ぜひ、一人でも多くの社員を人財化したいですね。

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