西谷信広公式ブログ

ゴーン会長から容疑者に転落。成功者は常に〇〇を考えるべき

  • 2018.11.28
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Dismissal-Carlos- Ghosn

行動変革プロデューサーの西谷 信広です。

ゴーンさん、ついに逮捕されました。
なんでも報酬額を50%ほど少なく
申告していたそうですね。その他にも
色々と問題行動あり、ということで。

すでに報道されていることとは別に、
『成功者』が陥りがちな点にフォーカスし
どう対応すべきかについてお話します。

どんな成功者も人間です。
よって、行動変革は誰にでも必要なのです。

付き合いの関係で色々聞いたゴーンのこと

自動車関係の仕事をしていたために、
ずいぶん前から、色々ゴーン容疑者に関して
聞いていました。これはいわゆる噂話ですけど、
その内容がどれも酷似しているわけです。

そこにあるのは、成功者がまさに陥る失敗点!!
ばかりでして...

年収10億円のビジネスパーソンはなかなか
日本にはいません。でも、1千万円超の人は
いますね。

大手につとめていると役職が少しあがると
1千万は超えます。しかし、1千5百万円となると、
それなりに目立つ実績を残している人たちが、
けっこう多いものです。

日本定義の成功者も、ゴーン容疑者クラスの
成功者も、陥る問題点は大きく変わりません。
会社の大小や、問題のややこしさの違いは
あっても根本は一緒です。

さっさと辞めない姿勢に人種は関係ない

日産が倒産の危機に瀕したときにV字回復させる
ところまでは、よかった!!という印象です。

一方で、しがらみがないから出来たことである、
のも事実です。

その後、色々なプランを発表。
色々と進めたのも事実。
しかし、実際はかなり現場にしわ寄せがあり、
大変だったことを聞いています。

あまりに無理をするのでコスト削減ができず、
コストUPになってしまった、なんてことも
あったそうで...

内情を知れば知るほど、思ったものです。
「マスコミで流れている内容と違うなあ」と。

成功していると良い面がクローズアップされます。
違う面は、なかなか表には出てこないのです。

ルノーとの資本提携を振り返り

ルノーは昨今業績が上向いていますが、そもそも
そんなに大きな会社ではありません。最近は、
売れている車種もありますが。限定的です。
なぜなら、世界中に販売・整備網がないから。

ご存知の方も多いと思いますが、ルノー日産に
三菱を加えたことで1060万台販売を2017年に
達成しました。
しかし、ルノー自体の販売台数は376万台で、
日産は581万台ですから、日産のほうがまだ大きい
わけです。

余談ですが、過去には日産が利益面でルノーの
マイナスを補填していた時期もあるのです。

売上高でみると年によって若干の差はあるものの、
日産はルノーの2倍近い規模となります。

ルノーが40%を超える日産株を保有し、
議決権を持っているのは、どう考えてもへんです。
健全な形は、日産が親会社でルノーが子会社、
というかたちです。

たいして業績もよくないルノーが日産の利益を
吸い上げることで黒字を確保し続けてきたのは
事実です。

また、フランス政府がルノーの株を15%保有し、
筆頭株主ですね。政治が私企業の活動に影響を
与えた例として顕著なのが、ルノーの工場稼働率を
上げるために日産の欧州主力車種 マイクラの
生産をパリ近郊のルノー工場で行うというもの。
すでに稼働しています。

自動車メーカーとしては“最適地”で生産すべき。
しかし、日産に選択肢はありません。
ルノーが親でフランス政府がその筆頭株主です。

日産は最適地での生産ができず、フランスの
雇用を守るために生産地が決められた、
と考えるのが自然です。

日産が正しく前進するためには、経営判断に
フランス政府が口出しする事態は避けるべきです。
しかし、これを覆すのは、親子関係により相当に
難しいといえます。

成功し権力集中をし過ぎた弊害

日産の経営のみならず、ルノーおよび三菱自動車の
経営を見ていたゴーン容疑者。経営者としての才覚は
もちろん高い方だと思います。これは多くの方が
思われることでしょう。

ただ、あまりに長期間、権力を握りすぎたとも
いえます。1999年からですので、20年にわたり
圧倒的な権力を手中に収めてきました。

関係者から以前聞いた話に、ゴーン容疑者は人の
意見は聞かないというものがあります。

一方で、あまり人の意見を聞きすぎると、経営判断に
迷いがでる可能性もありますね。
仮にゴーン容疑者が人の意見を聞かないタイプだった
としても、全面否定はできないとも思います。

ただ、まるで聞かない人だと、内心、うっとうしい、
と思われることもありますね。こうなると、誰も異を
唱えないのみならず、誰も本心は語りません。

「勝手に好きにやってくれ」
こんな気持ちに周囲がなっていたのかもしれない。
そんなことを感じます。あるいは、高給もらえるから、
もういいや、と思っていたのかもしれません。

また、報酬はすべて彼が1人で決めていたとの報道が
ありましたね。

高額報酬がすべてにおいて間違いであるとは、
個人的には思いません。簡単にできないことを実現する。
仕事人としては、“余人をもって代えがたい”人
ならば、別にいいのではないでしょうか。

しかし、報酬を決める権限を握ると、役員会が
形骸化してもなんの不思議もありません。
余計なことを言えばゴーン容疑者に報酬を
減らされる、下手をすると首になると役員が皆
思えば、意見は言わないし、盲目的に従うだけ、
となってしまうでしょう。

賢明な方は、行きつく先はお分かりだと思います。

役員会はゴーン容疑者の独壇場となり、誰も異を
唱えない。結果、何が正しいのかではなく、
ゴーン容疑者のいうことが正しい、となって
いくわけです。

いわば、役員会を含め、行動変革などまったく
なされていなかった、と言えるでしょう。

成功者が最低限考えるべき3つのこととは?

1.周囲の話はひとまずすべて聞く

誰もが意見を持ちます。まずはすべて聞く。必ずしも
意見を採用する必要はありません。いい意見はもちろん
採用すべきですが。

ただ、しっかり傾聴する。そして意見を述べる。
最後に決めるのはあなた。聞くことくらい、大した
問題ではないのです。

聞いてもらえた、と思う部下の気持ちは大切です。
意見を述べたうえで違う方向になっても満足感があります。

2.権力の集中を避ける

役員報酬ならば、役員会で決めるなど、やり方はあります。
社外取締役を含んで決めていってもいいでしょう。
要は、人事権のみならず、お金まで握ってしまうのは
やりすぎで、これは独裁者です。

周囲は意見も言い辛くなり、気づいた時には誰も信託を
もってくれない人になってしまうのです。

3.自分とは違う考えの優秀な人をそばに置く

成功者が慢心すると、自分の言うことを聞く人を周囲に
置きたがります。これでは間違いに気づきません。

自分とは違う意見を述べてくれる人を置くことで、
間違いを修正する機能を持つ。これは大切なことです。

ちなみに、ゴーン容疑者は自分が採用した人たちで
周囲を固めていました。
独裁者色をさらに強めることになってしまった、
というわけです。

ルノーと日産:コンプライアンスはどうなる?

ルノーは取締役会を開き、ゴーン容疑者の留任を決めたとの
報道がありました。しかし、明らかに犯罪を犯していることは
否めない人物を留任するのはいかがなものかと、思います。

フランス政府としては世界1の自動車グループが国内に存在する、
という図式を求めています。ゴーン容疑者を外すことで、
グループ内での下院系を見直すようなことが起きることを
恐れているのでしょう。

政治的な判断とビジネスは違います。コンプライアンスという
観点では、やはり、ゴーン容疑者はルノーの会長職から解任
されるべきである。そう思います。

ガバナンスがまったく効いていないなと、ルノーの対応に
感じました。あなたはどう思いましたか?

ガバナンスが機能していれば、今回のような不祥事の
大放出にならなかったのですから、ルノーも日産も
大変だらしないですね。

成功者が成功者でいるために大切にするべきこととは?

成功者は時に、自分の能力に酔いしれ、慢心してしまいます。
それを正してくれる人をそばに置くことが必要なのですが、
これを実行する人は少ないものです。

成功者は権力や独善を守るのではなく、常に他者を思うこと。

事業を大きくし、会社にも貢献をしてきたカルロス・ゴーン。
しかし、成功者が独裁者になってしまったら、遅かれ早かれ、
今回のような結果になってしまうのです。

フランスでは相変わらず、恩人を引きずり下ろすのはおかしい、
という主旨の話が多いようですが、それでは、企業を救ったら、
殺人者も許すべきというのと、かわらない屁理屈です。

ビジネスマンとして仕事面でどうかということと、人として
どうかというのは、あくまで別で考えるべきなのです。

自分の部下の話はすべて聞き、権力を一点集中させず、
耳の痛いことを言ってくれる部下を横においていれば、
今回のようなことは避けられたのではないのか?
そう思えてなりません。

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