西谷信広公式ブログ

コミュニケーションとモチベーションはどう上げる?

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先日、ある趣味系の雑誌を出している出版社の方とお会いしました。男性で年齢は30歳代の方です。副編集長をされています。仮に彼をAさんとしましょう。編集部員はAさんを含めて6人います

主な役割は、若手編集部員の教育役。
原稿のチェックなどをおこなっているけど、その方針が上司である編集長とは違うそうで、Aさんの指摘した部分と真逆のことを編集長から指摘されて、若手が右往左往しているのが申し訳ないとのことでした。ちなみに社歴はAさんの方が長く、編集長はヘッドハンティングされる形で編集部に入ってきました。

就任時に編集長は「これまでのやり方で若手を育成してください」と言ったそうです。
ところが、
それでも編集長は部下に直接関与してきています。

一度、そのことについて編集長と話したところ2人の視点で指摘を入れることに教育の意味があるからAさんはAさんで続けてと言われたそうです

ただ、編集長と副編集長の意見が統一されていないように見えるのは若手にとっては大きな負担ではないかとAさんは考えていて、編集長に忖度した指摘をすべきか、それとも編集長の言葉通り、自分が大切だと思うことを指摘していくべきか悩んでいらっしゃいました。

わたしからのアドバイスはコミュニケーションを核とした仕事術です。以下、Aさんにお話しさせて頂いた感じであなたにもお話します。

【A-1】

こんにちは。質問ありがとうございます。

悩ましい問題ですね。答えるほうとしても考えてしまいます。わたしならおそらく、上司には明確に伝えて、部下の責任は私が取る。
だから、色々と口出しをし過ぎないで欲しいと、伝えるでしょう。もちろん言葉は選びます。失礼にならない言い方を選ぶという意味において。

でもね、これはわたしの性格を反映した内容です。あなたにそのまま当てはめるべきではないのですね。それでは、最適だろうと思われる解答をしていきます。

編集長とは何か?

あなたは編集の方ですから、明確にお分かりだと思いますが、あえて、ここで編集長の責任範疇の定義をします。
理由は、基本情報を明確にしたほうが、全体像をとらえやすくなり、解決策を提示した際、あなたにも捉えやすくなるからです。

編集長の責任範疇

・日々の編集部の仕事に対する責任

・部員全員の仕事に対する責任

・発行日に必ず発行する責任

・発行物のアウトラインに対する責任

・発行前の記事、写真の精度に関する責任

・発行前記事の内容添削の全責任

・レイアウトなどの誌面デザインの責任

・名誉棄損や中傷に対する対応責任

これら以外にもあると思いますが、ざっと挙げると上記内容が編集長の責任範疇ですよね?さて、編集長の責任範疇を見るとわかることがあります。
それはなんだと思いますか?

答えは、

担当する雑誌発行に関する全責任を負っているということです。当たり前ですと言われるかもしれませんが、ここでさらに突っ込んで考えてみましょう。

編集長を表すキーワードとは?

雑誌発行上の全責任ということは、編集者の記載内容もすべて編集長の責任であるということです。
副編集長であるあなたが編集者提出の原稿をチェック、OKを出しても、結局、方針を決めるのは編集長です。
また、全責任を背負おう編集長に対して、副編集長の意見に合わせてくれ、とは言えませんよね。

ここで大切なキーワードは、『責任』だと言えます。

ただ、この責任が最高の形で実を結び続けるのか?ここは少々、疑問を感じます。どういうことか、見ていきましょう。

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編集者の気持ちと雑誌の品質

編集者は大変です。副編集長と編集長の意見が違うわけですから。書き直しにつぐ、書き直しになる可能性があるわけですね。そして、実際にそのようになっている結果、編集者たちの状態がどうなるかというと...

1.書き直し続きで疲労する

2.精神的にイライラする

3.あまりに直されると自信もなくなる

4.上司2人の意見が違う事に対する不信感

5.4.から上司2人への信頼感が下落する

大きく、これら5点です。最悪の場合、転職していく編集者もいるでしょう。
また、編集者たちの、ある種、落ち込んだ気持ちが誌面(仕事)の質に出てしまっても不思議ではない

人間は感情の生き物ですから。
のらない気持ちがそのまま誌面に出てしまっても、なんら不思議はないわけです。

出版社は特殊なのか?

どの業界を訪問しても、必ず聞くセリフがあります。それは、「うちの業界は特殊ですから」というもの。
これを聞くと、わたしが必ず言うセリフがあります。

「どの業界もある意味、特殊です」

どの業界にも、ある種の癖というか、DNAのようなものがあります。必ず特殊性はあるのです。なぜ、わざわざ業界の特殊性の話をしたか?理由があります。
全業界がある意味特殊ならば、特殊性を備えていることが普通であると言えます

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出版だろうが、なんだろうが、企業として大括りにみれば、同じだと考えていいわけです。企業にとって最重要は人です出版社ももちろん企業ですよね。

もっと、マネージメントの考えを入れていいのです。マネージメントの考えを適用すると、色々と見えてくるものがありますそれはなんでしょうか?

マネージメントの定義を考える

編集長の責任範疇を考えると、部長と言っていいでしょうね。副編集長はさしずめ課長ですね。課長職の責任はざっくり以下の通りです。

(1)部下のマネージメント:勤怠および仕事の進捗

(2)部下のやる気有り無し:態度などを見て、把握

(3)仕事の指示および指導:部下の育成

(4)部下の悩みを聞く:聞いて必要な対応をする

(5)部下全員の仕事進捗管理

これら5点以外にもありますが、今回の件を論じる上で必要な点に絞りました。あなたは課長です。そう考えてください。
さて、課長であるあなたは、部下の勤怠から始まり、色々と部下に関わる面倒を見なければなりません。

中でも、部下の成長を促進する責任がありますただ、ここで忘れてはいけないのは、部長=編集長が最終責任を問われるという点です。

人が育たないと会社はまわらなくなります。“雑誌=商品”の質の低下が防げなくなる可能性があります
せんじ詰めると、人の育成による商品の品質向上が常に重要である、ということです。

人を育てることと、商品品質向上を達成するにはどうするべきか考えてみましょう。

プロセスによる効率化

まず、プロセスを創る必要があります。部下が疲弊しきって、気づいたら誰も居なかった。これでは困るわけです
ここでいうプロセスとは特に、編集者が原稿を書いてから雑誌になるまでのことです。プロセスを創り上げ、その通りに部下にはやってもらいます。

雑誌創りの上で、大切なポイントはあなたは重々お分かりのはずです。それらのポイントをしっかり把握できるプロセスとすることが大事です。
プロセスを創るうえで編集長との
会話が必要です。

《説明して、聞いて、議論する》

編集長と話をしてください。かなりじっくりとです。議論と言ったほうがいいでしょう。さて、違う意見でも2人から編集者に言うのが正しいと編集長は言っています。私は同意しかねます。

あなたが部下の原稿をチェックして、それに基づいた変更がなされて最終原稿が雑誌になる、という流れにすることです。そこで、編集長にはプレゼンをしてください。パワーポイントで作って、全体像から詳細に落とし込んだ説明をするのです。説明内容は少なくとも以下の点です。

・全体像として部下の状態

・編集者が離職する可能性

・その理由(精神的な事、不信感など)

・あなたの編集長の意見に対する理解

ここからの説明がさらに大事です。誌面について、今までよりさらに突っ込んだ議論を編集長とする時間を必ずもらうようにします。
その際、編集長から誌面に求める記事の内容、注意点をこれまでより、もっと明確にもらってください。

ほかの業種に例えるなら、部長と課長間で綿密なコミュニケーションをはかり、部下の仕事の質向上を計画的に進める、という感じです。

編集長なりの勘所、気にしている点など必ずあるはずですよね。
また、編集長だからこそ、あなたとは違う視点で部下の資質や、改善点を把握しているはずです。

ここもしっかり聞き取りをしてください。これで終わりではありません。編集長に具申していただきたいことがあります。

それは、「これからしばらくの間、編集者からあがってきた原稿を2人で一緒にチェックさせてください。編集長が求められているポイントも理解できます。編集長が納得していただけたところで、わたしに部下の原稿チェックを一旦、預けていただきたいのです」という内容です。

編集長があなたを信頼している、あるいは信頼したいならば同意するはずです。
また、彼はあなたよりも社歴が短いですから、あなたとしっかりした関係を構築することで、信頼できる部下であり仲間になって欲しいと思っているはずです。

あなたにとっても、なぜ、編集長があなたの指摘と真逆のことを部下に指摘するのか、の理由を知る絶好の機会になります。

この方法を取ると、編集長もあなたも、今より時間が取られます。他の職務を考えると、デメリットにも思えます。
しかし、何より大事なのは、部下の成長です成長は雑誌の質を下支えし、さらに高めてくれます。

また、部下がこれ以上疲弊しないこと、そして、あなたと編集長が仲たがいしているわけではないという点も部下に知ってもらえます。

プラスの要素の方が多いのです。編集長と一緒に原稿チェックする。ここ同意に基づき、プロセスを創って進めてください。

雑誌の編集者は、きっと他業種よりも右脳型の能力が求められるのでしょう。
しかし、仕事を進めるプロセスを決めるからといって、自由な発想を捨てるわけではありません。

しっかりしたプロセスを創り上げる。そのためにまず、綿密なコミュニケーションを部長である編集長とA課長は取っていく。

仕事の根っこはコミュニケーションです。これを重視すれば、実は色々なことがスムーズに進むようになるのです。

なお、別の意味でプロセスの話をすると、相手の思いを汲み取ることも、思いをうまく伝えられない人も、共通しているのはコミュニケーションのプロセスを踏んでいない点です。話すアウトラインを決めて、それに基づいて話をする。これを履行することです。
ですからAさんはここをまず注意し、コミュニケーションの質を高めていきながら業務のプロセスを編集長と一緒に作り上げるのです。

話すことから始めること。
当たり前そうで、誰でもやっていそうで、実は多くの人が条件反射的にやっている会話とは一線を画するのがコミュニケーションです。

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アペライオン(株)HP【西谷 信広プロフィール】
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