西谷信広公式ブログ

ニュースを仕事に置きかえると見えてくるものもある

  • 2018.4.16
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行動変革プロデューサーの西谷 信広です。

人、企業の行動が変わるとは、考える力により自らを変えたから。
小さな変化が集まれば大きな波となり、それは国家をもいい方向へ
かえる。そう信じて、クライアントと行動変革を進めています。

さて、今回はちょっと前のあるニュースから、行動について考えてみます。

女人禁制!!相撲の土俵

4月4日、京都舞鶴市での大相撲巡業で市長が倒れたので救命措置を
おこなった女性看護師を土俵からおろそうとした場内放送については、
多くの方がご存知の通りです。

人を助けようとしているのになぜそんなことをいうのかと、女性看護師も
思わず言ったそうですね。続けて2名の女性が土俵に駆けよったのですが、

「女性の人は土俵から降りてください、男性が上がってください」

というアナウンス。

ここにきて、トイレに行っていたはずの春日野巡業部長も、現場を見ていた
という話がでてきていますね。

さて、メディアが、そして色々な人が既に意見を述べられています。
わたしは別に、ここで批判しようとしているのではありません。

起きてしまったことをなかったことにはできませんので、それなら、
せっかく起きた事ですので、学びにしたいと思ったわけです。

『しきたり=思考停止』から発生した問題では?

アナウンスをしたのは若手の行司だと言われていますが、若いと言っても
未成年ではないはず。社会的には大人と言われる年代だと思います。

土俵は女人禁制については多くの方がご存知の通りです。それはしきたり、
ということで片づけられていますね。

しきたりを守ることは正しいという思考を一言でいえば、停止状態です。
いい悪いの判断を“しきたりありき”で実行しています。その場の状況から
判断して、何がただしいのかを考えるという姿勢がなくなっているのです。

楽をし過ぎていないのか?

決められたことを守るのを面倒に思う人もいるでしょう。しかし、実際は
そうではありません。例えば、学校の廊下は走らないと言われ、最初は
渋々従っていた子供たちも、「廊下を走らなければいい子として見られる」
と感じれば、従うようになります。

そして、廊下を走らないというルールを守ることを機械的にできるように
なります。自動的にできるようになってしまえば、これほど楽なことは
ありません。なぜなら、一切、考える必要もなく動くのですから楽です。

仕事に置き換えれば、“指示待ちの人”となっていきます。

なにも廊下を走るべきと言っているのではありません。
決められたことに何の疑問も挟まず実行するだけならば、楽である
ことと引き換えに、考える力を失っていくと言いたいだけです。

廊下を走るのは危ない。たしかに。そうかもしれないです。
しかし、走って、出会い頭に人とぶつかることで痛みをしる。
これも大切ではないか、とも思うのです。

優先すべきことはなにか、それはなぜか?

ルーティンの仕事を見てみると、けっこう間違いが多いなと気づきます。
例えば週報とか月報という種類の書類など、その最たるものです。

実話を例にあげましょう。

「そろそろ月報の提出か。ださないといけないから、やるか」

ちなみに、この言葉からは、⦅面倒くさいなあ⦆という気持ちが
垣間みえます。

この人物の勤める会社では月報が義務であり習慣化しています。
ルール化している仕事なので、やらないという選択肢はありません。

中身をみると、毎月大した変化もない文章と内容となっています。
そして、先月と同じことを繰り返し書き連ねる場合もあります。

 

「なぜ自分は月報を書くのか?月報の意味とは?」

意味を自身に問いただし、場合によっては上司にも意味をたずねる。

自らの行動を正しく理解して実行しているのか、それとも、なんとなく
流されてやっているだけなのか。

「たかが月報でも、考え方で見え方が変わる」

こう考えてみたら、違ってきます。

月報で大切なことを簡潔に伝えることができれば、それは上司も動かす
可能性がある。無駄なく仕事にフォーカスした動きもし易くなる。
そして結果的に、部署の会社貢献度も変わってくる。

すべては自分自身と周囲の為になる、と考えると、どんなことも見え方が
変わってきます。

指示待ちではなく、“自主的に考え動く人”になる。やってみると目の前が
ひらけていきます。

流されていたら、時間がもったいないですね。

当然だと言うのは簡単。しかし実行は難しいという事実

今回の様なニュースが流れると、色々なところで批判が出ます。

「人命救助に女も男もないだろ」

「しきたりを優先するとは、人命軽視か」

などなど。

確かにその通りです。異議はありませんし、唱える人は逆に珍しいですね。

しかし、なぜ若手の行司は女性を土俵から降ろそうとしたのでしょうか?
人命が尊重されるべきであったことは理解できるはずです。
でも、アナウンスをしてしまったわけです。

“しきたり”という名の“ルール”あるいは“慣習”があり、それを守るうちに思考停止に
おちいり、そして『何が正しくて何が間違っているのか』を考えず、条件反射的に
“ルール”が優先されるようになった結果である、といえるのではないでしょうか。

会社でも色々なルールが存在し、暗黙の了解などというものも存在します。
それらが確実に各自の成長、企業の発展に寄与するのであればいいのですが、
多くの場合はそうでもありません。

しきたりや、ルールや、暗黙の了解をただ受け入れず、本当に自分たち(企業)に
とっていいことなのかを考えてみる。疑問を呈してみる。
こういう姿勢がなければ、企業が正しい方向に変化してゆくことはとても難しいのです。

ルーティンでも考えてから、あるいは考えながら行動する。まさに行動変革の意識、
大切なのです。

こういえば、多くの人が、当然だよね、と言います。
しかし、常に意識し、思考を止めず、当たり前のことを愚直に実行することは
簡単ではないということを認識して、やり続けるのは、そう簡単でもありません

強く自分自身が意識して、実行しなければ出来ないのですから。

逆に、考え続けることが出来れば、かならず結果は変わってきます。
考えられた行動は学びをもたらします。
なぜなら、「なぜ、これをやるのか?」、「やることは自分に、会社にとっていいのか?」
と思考を巡らすので、仕事の仕方が変わるからです。

そして、自己実現にも近づきます。

『考える』という行動に焦点をしぼり、意見を持ち、前を向いて進むことで、
自分が成長し、周囲にもプラスになり、この行動の集大成は勤務先に大きな
プラスに働きます。

ニュースを聞いた時、おかしいなと思ったら自分をその立場に置いてみる。
自分ならどうするだろうと考えてみる。そして、仕事に当てはめてみる。

すると、学びが見えてきます。

ぜひ、試してみてください。

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