西谷信広公式ブログ

『働き方改革』- 働き方が変わっても変わらないものは?

  • 2018.9.5
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働き方改革は大切なのですが...?

突然ですが、仕事とは、あなたにとって何でしょうか?
この質問の答えはさまざまでしょう。
もちろん、生まれた時代背景によっても違うでしょう。

あなたにとっての仕事とはなんですか?
給料を手に入れるための手段でしょうか?
課長、部長といったタイトルを手に入れるためですか?
あるいは、社会とのつながりを確保する手段ですか?
自己実現ですか?

権力で人をコントロールするため、という人も?

いろんな意見があっていいと思います。
各々違う意見を持っていていい。十人十色ですから。
答えが1つである必要はありません。
働き方にも意見や好みがあっていいと思います。

『働き方を選ぶ』ことが普通。そんな社会に早くなるべきです。

仕事で必ず達成するべき1つのこととは?

会社に出社するだけでも、なんとなく仕事をした気になる。
このような人は一定数います。会社によってはたくさん、います。
上司の前で“仕事をやっているふり”をする人もいます。
でも、会社に行かないことが普通になると“ふり”はもうできません。

どこで仕事をしてもいいなら、評価基準は今以上に、結果(成果)
ということになります。
つまり、

「会社に毎日こなくてもいいですが、その代わりシビアに成果はみますよ」

ということです。

“どこでも働けるワークスタイル”は、実は気の抜けないものなのです。

ところで、面白い調査があります。

ミレニアル世代が求める仕事環境はいいことだらけか

デロイトグループの2018年版ミレニアル年次調査。
ここから見えてくるものがあります。
表はすべてデロイトトーマツグループさんの発表からの抜粋です。

(現在の職場に勤務すると想定している期間)

日本は2年以内が19%。約2割。
つまり、短期間の転職がけっこう普通になっているということ。
長くても5年内までであることがグラフから見てとれます。
人材の流動化が今後さらに発生しやすいとも言えます。
企業は社員の定着化に何ができるのか考える必要があります。

社員は何を求めているのかを、経営者は明確に答えられるでしょうか?

どういう仕事の仕方があるのか?今までのやり方は本当にいいのか?
もっといい仕事への取り組み方はないのか?
時代背景と発達するIT技術。これらを無視するのはもったいないことです?

“いい仕事”は出社せずともできます。
ただ出社しないから緊張感に欠けたりするようでは本末転倒ですね。
だから、明確な評価基準が必要となってくるのです。

「事務所に来なくても仕事をしっかりやればいい」

つまり、社員には明確な成果ターゲットを設定し、挑戦してもらう。
そうすれば、事務所で顔を見ないと不安だとか、本当に仕事をしているか
不安だとか言いだすマネジャーは激減するのです。

仕事の効率を高め、無駄な残業を減らすには、発展しているIT技術を
もっと取り入れるべきです。

一方で、成果基準を明確にされるほどに従業員も大変です。
「好む環境を提供しているのだから、成果提供は当然だ」と
マネジャーや経営陣が考えるようになっても不思議なことではありませんね。

やはり、求めればその分求められる。ということです。

 

(勤務先の選択に重視するポイント)

お金がより多くもらえ、勤務時間や場所に対する縛りが低い。
健康的な生活実現を重視する。ワークライフ・バランスですね。
こんな企業文化が求められていることが読み取れます。
一方、積極的/前向きな職場文化を望む人は少ないですね。
汗かいて走り回るのではなく、あまり色々やりたくない、
という感じです。わがままな部分をけっこう持っているわけです。

少し気になるのは継続的な学習を否定する傾向がみて取れる点。
離職するタイミングは、海外もけっこう短いことは表からもわかります。
ただ、継続学習するべきであると考えている割合が海外は約50%です。

仕事をしつつ能力開発を続けて、チャンスをみつけたら動く。
これが海外でのスタイル。
日本では仕事に意味は求めるが、継続して学びたくない。
権利の主張もして、自分が活かされているかも気にします。

変化に適応するための学びは常に必要です。
どこでも働ける環境でいま以上に求められる明確な成果達成は、
能力を高めないと年々むつかしくなるのは火を見るより明らかです。
40代、50代になったとき、能力を高めていなかったらどうなるでしょう?

安定した生活などと言っていられなくなる可能性があるのです。

 

(日本の経済的・政治的状況の改善への期待について)

グラフが表しているのは経済的、政治的な改善に期待しているのか?
世界平均とは違い17%とさらに低い数字となっています。
とても悲観的に自国を見ていることがわかります。
政治家や経営者にあまり期待をしていないとも言えます。

経済や政治に対して悲観的だからこそ、継続的に学んでも無駄だと
考えている可能性は否定できません。

今まで見てきたことをまとめると以下のようになります。

(1) 給料が高くて、勤務時間、働く場所に縛りがない
⇒仕事中心で必死に働く気はないということ。

(2) 個人の望む環境と乖離が大きければ2年とかで会社は辞める
⇒必死に働かされるのならば、嫌になり転職する可能性大

(3) 好みの環境は求めるのだが、継続的な勉強には否定的
⇒勉強がNOなら思考力もスキルも頭打ち。望む環境にいっても実は大変

(4) 自国に対して希望を持たない(持てない)傾向がある
⇒国に期待感がないし、希望は持てないと思っている

こんな感じでしょう。

 

行動変革:仕事と私生活のバランス―ただバランスだけが大切か?

勤務先には、求めているプラス要素がない、と思ったとします。
すると、2年内に辞めていく人がけっこう多いわけです。
ただ、当然のことですが、新たな雇用主にも選択の権利があります。
よって、あくまでも両者が望むなら、という前提です。

会社は営利目的ですから、やはり、能力を高めていなければ、先々は厳しいのです。
いつまでも20代、30代ではありませんね。
継続的に勉強しない人を企業が大歓迎し、大切にし続けるのか?難しいでしょうね。

また、仕事をしながらも継続的に学び続ける人は、やり切る力のある人です。
粘り強く活動できるわけですから、こころも強くなります。
そのうえ、座学も含め知識、知恵を自分のものにしている人は魅力的。
だから、転職もしやすくなるのです。転職せずとも、社内で大切な社員となるのです。

ワークライフ・バランスを手に入れつつ高給とりだけど勉強はしない。
なかなか実現の難しい望みだといえます。

行動変革:オフィスに定時に来たって仕事をしているとは限らない

行動を変える1つの手段である会社以外で働くという仕事の仕方。
いわゆるノマドワークスタイルです。
PC、スマートフォンなどがあればどこでも働けます。
自宅だったり、喫茶店だったり、旅先だったり...

以前みたある調査では、60%くらいの人がノマドワークをしたいそうです。
しかし、会社に制度がまったくなく、やることができない。
これまで、出社すると仕事をした気になる人をたくさん見てきました。

「定時出社のシステムが逆に勘違いをさせているな」
このことを強く思ったものです。
部下が全員定時出社していると満足げな上司がなんとおおいことか。
会社に来るのは仕事ではなく、仕事をするための単なる移動なのですが...

仕事は何を、どのようにやって、結果を出したのか、です。
仕事はやはり成果なのです。
事務所に定時に来ることと仕事の成果は決してイコールではないのです。

事務所にいると、周囲に同僚がいますね。ついつい会話もします。
周囲が血眼で仕事をしていなければ、そのペースに自分も乗りがちです。
そして、その日の仕事を積み残す...これは実際、“よくあること”です。

行動変革:仕事の効率はトライ&エラーなしではあがらない

勤めていた頃、資料を作るには1人で集中する環境がベターだと知りました。
だから、わたしは会議室にこもって仕事をするようになりました。
最初はごちゃごちゃ言っていた上司も途中から諦めました(笑)

わたしはフォレスト出版から昨年、書籍をださせていただきました。
その中でも、集中の仕方の1例として部屋に閉じこもろうと書きました。
大事な仕事を集中して一気に終わらせる。
だからあいた時間で別の仕事ができる。

当時、会社は会議室を占拠することをOKしていませんでした。
普通はOKされないのかもしれませんが。
でも、わたしはこもったのです。

理由は、

『お客さんと勤務先への利益のために効率を上げる』

というものです。

今年は本当に猛暑続きでした。9月も猛暑日がありそうです。

朝から30度を突破しているなか、満員電車に揺られて汗だく。
会社についた頃には汗でびしょびしょ。そして憔悴気味。

席について仕事を開始。でも、そんな環境で集中できますか?
確かに出社が必要な場面はあります。
たとえば社内、社外の打ち合わせ。
映像ではなく、直接表情を見ながら話し合うことは大切です。
しかし、出社せずともできる仕事はたくさんあります。

研究開発は研究所にいかないとできない可能性が高いですね。
しかし、データのまとめ、グラフ化などの仕事は家でもできますね。
財務・経理も詰めの作業は出社しないと難しいかもしれません。
それでも、数字の入力などは自宅でも十分可能です。

要はセキュリティ対策がしっかりしていればいいわけです。
PC1台あればネットを通じてできることはたくさんあります。
ここが今の時代のいいところです。

効率を圧倒的にあげる可能性あるツールを最大限使うトライをしない。
トライしなければエラーもないですから、学びもありません。
たとえば、ノマドワークを推奨し、やり続ける。
すると、かならず自社にあった方法は見つかります。

この方法が正解ですよ、などというものは存在しません。
各社違いますから、各々の組織にあうやり方を探すことが大切なのです。

失敗という名の学びのないところに成功なんてありません

20世紀メンタルを引きつぐのではなく、便利なツールは使って
効率と社員の満足を上げる。離職率を下げ、明確な成果ターゲットで
業績を高める。とても大切なことですね。


営業職:もっとノマドワークで行動変革しよう!!

ひるがえって営業職。顧客先訪問は大事な仕事。
相手の顔をみて、解決策を探るミーティングは大切です。
ただ、何回かに一回はPCを通じたビデオ会議でもいいはずなのです。
事前にお客さんと合意していればいいことです。

「朝、会社に来てから客先に行け」

これは上場する前の、小さな名もない商社時代に上司が言っていたことです。

インターネットなど黎明期で、事務所じゃないと書類も見られない時代でした。
それでも、「かならず出社は必要ないだろ」と思いました。
出社にこだわると大事な仕事の機会を失う可能性もあります。
朝8:30なら潜在顧客に会えるなら、出社よりもはるかに大切です。

わたしの仕事は出社ではなく、顧客の問題解決をしてお互いに成長すること。

このようにずっと考えていたので、一切、上司には従いませんでした。

出社しない営業でも、例えば1回/週は報告・情報交換で出社する。
そして上司としっかりすりあわせる。同僚と話すタイミングを持つ。
コミュニケーションをしっかり保つこと。
「そうだ、こうやったらもっといいかもしれない」と、アイデアが生まれることも。

ポイントは毎日出社することが本当に効率をあげる仕事の仕方か?という点です。

日本企業も、やっと、どこでも働ける(ノマドワーク)姿勢を承認する方向のようです。
ノマドは今後必須ですし避けては通れないものです。

ノマドワークには上司の監視がありませんから、さぼれます(笑)
しかし、それでは成果はついてきませんよね。
だから、へんな目立ち方をしたくなければ、しっかり成果を出すしかないのです。

自らを律して常に成果を出し続ける高い意識が、“どこでも働く”スタイルには必須です。
出社して目の前に上司がいるより高い緊張感で仕事をする必要があるのです。
今までよりも、もっと工夫もするようになるでしょう。
常に上司、同僚とも一緒ではないですから、自然と情報共有する人も出てきます。
キーワードが成果になる以上、当然のことなのです。

この行動変革がもたらすもの。それは、思考し続ける自律した社員なのです。
継続することで、思考力はさらに高まります。
そして高まった思考にもとづく行動の質は、さらに高まります。
これが、成果を安定的にあげる社員を誕生させることにもなるのです。

行動を変える。無意志の行動ではないので、自然と考えるようになる。
この繰り返しは思考の質を高めるので、行動の質も高まるのです

ミレニアル世代と一致するのはゆとりやさとり世代。
彼ら、彼女らの特徴を言いあらわす表現は色々とあります。
ただはっきりしていることが1つあります。
それはだれもが人間であることにかわりはないということ。

世代間ギャップを嘆いたり、あるいは非難する材料にするのではなく、
どうすれば一緒にやっていけるかを考えて、トライしてエラーして、
学んで、やりかたを確立することです。

やり方を変えると決め、行動変革を推奨すれば、結果的に今よりも
はっきりした評価の物差しではかられるようになります。

時代が変わっても、やはり、前を向き、自分の能力を見つめ、
着実に進む姿勢が必要なのです。

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大変うれしいです。どうぞ宜しくお願いします。

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